I am 吸血鬼。


「…ごめん。こんな風にしか護れない」

藍が切ない目で話す。そして、結希の口元についた血を湯ですくいとる。

「ううん…でも、自分から人の血を飲む時がくるなんて思わなかった」

「そだな。けど、後悔してないしな」

碧と結希は優しく微笑んだ。リュウは目元を和ませ、
「ラン、リオ。任せとけって!!」

その一言が心に響き渡ったのは、一目瞭然だった。

「おぅ」

「あぁ、任せた」

藍は一言元気に、莉桜は静かに任せたと、答える。

「ねぇ、藍。この方は…?」
碧が首を傾げる。

「リュウ。あたし達の親友で純血。…碧と結希ね」

藍は簡単に説明する。

「よろしく。碧、結希!」

リュウにニカッと笑った。
「こっちこそ、よろしく」

「リュウ、かぁ。かっけ〜名前だな」

碧と結希もニカッと笑った。そこへ、シャンが戻ってきた。

「失礼いたします」

「入りなさい」

一礼して部屋に入ると、

「下でリュウ様のお父上様が皆様をお待ちしております」

「わかった。…碧、結希。シャンだ、何か必要なものがあったらシャンに言ってね」

藍が碧と結希にシャンを紹介する。

「何なりとお申し付け下さい」

翠色の長い髪を垂らし深い翠の瞳を細めて微笑んだ。


「じゃ、リビングにいこうか」


.
< 15 / 103 >

この作品をシェア

pagetop