I am 吸血鬼。


「お久しゅうございます」

一人の白髪の少し混じった男が顔を綻ばした。

「久しぶり。…こちら、リュウの父上で、アデン・シルビット。…こっちは碧と結希」

藍が紹介する。それに合わせて碧と結希はお辞儀をする。

「碧様と結希様ですか。人間界での…?」

「そうだ」

莉桜が短く答える。

「ときに、本日はどのような御用件で?」

藍は鋭い雰囲気を醸し出す。

「…王陛下より、ラン様とリオ様の護衛をおうせつかっております。留守中は、うちのバカ息子をおいて行きます」

「バカ息子って…今回は何やったの?まぁいっか。で?父上はあたしとリオがトンズラしないように見張れって?」

藍は顔をしかめる。しかし、アデンは真剣な顔で、

「いえ、今回は本当の護衛です」

「どういうことだ?」


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