I am 吸血鬼。
-ランの屋敷-
「お茶でも入れてまいります」
シャンは一礼してキッチンへと向かった。
「・・・じゃあ、とりあえず座んねぇ?」
リュウが先頭をきってリビングのソファーに腰掛ける。それに続いて碧と結希も向かい側に腰掛ける。
「じゃ、とりあえず自己紹介?でもすっか。俺は、リュウ・シルバット。好きなものは、若い女の生き血で~す。でも、碧のは飲まないよ。だって、あいつらの親友だもん。で、嫌いなもんは、父上の説教で~す!」
リュウがニカッと笑う。それにつられて碧と結希もニカッと笑う。
「私は、藤原碧。好きなものは、ん~と、ケーキ。嫌いなものは、お化け屋敷」
「俺は、松村結希。好きなのは、藍と莉桜をからかう事。嫌いなのは、勉強」
「「「っぷ、ふはハハ」」」
三人は笑いあった。そこへ、シャンがお茶菓子と、紅茶をもってきた。
「紅茶とチーズケーキをお持ちしました。何かほかに必要なものがありましたらお持ちいたしますが、どうなさりますか?」
シャンは紅茶を注ぎ、ケーキを配ると尋ねる。
「じゃあ、トランプとかある?でも、人間しか遊ばないか・・・」
結希はシャンに聞く。
「ありますよ。少々お待ち下さい」
ニコッと笑うと一礼してさがっていった。その笑顔を見てリュウは顔を逸らした。それを見た碧は悪戯っ子のような笑顔で、
「リュウ、シャンって綺麗だよね?美人だし?」
立ってリュウの耳元で囁く。すると、リュウは顔を赤く染めた。
「ふ~ん。そ~なんだぁ。へ~え」
あえて、結希にも聞こえるように言う。
「べっ別に、好きとか惚れてるとかじゃなくって」
リュウがしどろもどろに言う。
「リュウ。シャンが好きなんだぁ。だって、私『シャンて綺麗だよね。美人だし』としか言ってないもん。ぼけつほってんじゃん」
碧は、ニコニコと笑い、結希は苦笑する。そして、リュウは『やられたぁ』と顔にでている。