I am 吸血鬼。


藍は寝室にある衣装箱をあけ、袴と胴着をきた。白地に紫の花が散る胴着、墨染めの袴。耳には藍のピアスと紅のピアス。髪をてっぺんで結い上げ、無造作に括り、愛剣を腰に履く。

そして、莉桜の書斎へ向かった。


莉桜は、藍同様寝室にある衣装箱から袴と胴着を出す。そして、ベッドに横たわる。目を閉じる。莉桜は悶々と今回の呼び出し内容を考えていた。そこへ、藍が現れた。

「莉桜?書斎にいなかったからこっちまで来ちゃったんだけど…ってまだ着替えないじゃん」

「あっれっ、藍?わりっ。すぐ着替える」

琥珀の袴に、白地に藍の刺繍が施された胴着。耳には、蒼いピアス。

「わりっ。まった?」

書斎にて、待っていた藍に謝る。

「ヘーキ。どうせ、今回の呼び出し内容でも考えてたんでしょ?」

「まな」

二人は顔を見合わせ苦笑し、陛下の待つ場へと向かった。



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