I am 吸血鬼。


玉座の隣にある、執務室の前に二人は立っていた。

「失礼致します」

藍が声をかける。

「入りなさい」

中からは厳かな返事がかえる。藍と莉桜は一礼して中に入る。

「御命令により、ラン・リスタイト・レイン、リオ・シュピッツ・レインここに帰界いたしました」

藍が恭しく話す。

「うむ。よく帰った。突然だか、お前達には、結婚してもらう。まあ、生まれる前から決めてあったことであるから決定事項だ。変わることはない」

藍と莉桜はポカンとしている。

「父上、私はリオのことを恋愛対象としてみたことがごさいません」

「陛下、私もです」

「では聞くがお前達は恋というものをしたことがあるのか?恋心を知っているのか?」

「そっ、それは…」

「…わかりません」

「そうであろう。まあ、今日はさがってよい。山になっている仕事を片付けなさい」

「「御意」」

二人は一礼してその場を後にした。


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