I am 吸血鬼。


「…シャン。俺好きだよ。今も昔も。ずっと前から好きだった!!だから、もうシャンが悲しいのは嫌なんだ…」

リュウの口からでた言葉にシャンの頬に涙が伝う。

「むつかしぃことなんてわかんねえし、こっちの世界の事情もわかんねぇ。だけど、いいんじゃないか?好きな奴と一緒にいて、こいつらと今までどおりに接して。今のシャンの姿は新参な俺でも見ていてつらい。リュウたちはもっと辛いんじゃないのか?」

結希の言葉をひきつぐかのように碧も口を開く。

「シャン、グダグダ言ってないでしたいようにしなさい!!」

シャンは暫く黙って、ニコッと笑った。

「私もずうっとリュウが好きだよ」

シャンの言葉を聞いたリュウは再びシャンを抱きしめた。少し躊躇いをしてから、リュウの首筋に噛み付いた。

「……ジュルっ…んっ…ゴクんっ……」

シャンの血を啜る音が響いた。
血を飲むにつれ、脚の傷は癒えていった。


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