I am 吸血鬼。
「誰も、なにもなかったな」
「うん。かえってきたんだ…」
「そうみたいだな…」
藍と莉桜の会話は碧と結希にとっては意味のわからない会話だった。
−王宮……。
「はぁ、やっぱり屋敷に帰りたい…」
やっとついた王宮の門前では、ため息をつく、藍と莉桜…。
「……なんで……?」
結希の問い掛けに答えたのは、藍。
「んなの、父上がおっかないカラに決まってんじゃん!!…絶対、ぶっ飛ばされる」
碧と結希は顔を引き攣らせた。
「よしっ」と、腹を括ったらしい藍と莉桜…。そんな二人の後をついていく、碧と結希。
門番をしている兵士に声をかける。
「門を開けなさい。…お前は父上に私が帰った事を伝え、帰ってきた愚弟に私のところに来るよう伝えなさい」
「「はっ!!承知致しました」」
ランの指示により、兵士の一人は走って脇扉から中へ入って行った。残りの二人の兵士が重い門を開ける。
「どうぞ。……おかえりなさいませ」
そう言われ、
「ご苦労」
一言声かけ中へランを先頭に入って行く。
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