I am 吸血鬼。


顔を朱くして、喚く莉桜。藍にいたっては固まり、口をぱくぱくさせている。

「別に朱くならなくてもいいのに…」

柊は不思議だとでもいうような顔をしていた。

そこに助け舟をだしたのはアデンだった。

「とりあえず、手当をなさっては?そこらへんの雑魚どもは私が責任をもって片付けますので…」

「そうだな…姉上、リオ兄行こう」

柊は藍と莉桜と共に東宮へ向かった。

回廊を歩いていると、

「ラン様」

呼び止められた。

「どうした?」

振り返り、遣ってきた衛侍に聞き返す。

「はっ!たった今シャン様がいらっしゃいました。会談室にてお待ち戴いております」

「わかった。…柊、頼む」

藍は、柊に目配せする。

「はいはい。にしても、シャンって久しぶりだね。じゃ、行ってくる」

「うん」

そういって、柊は衛侍と共に歩いていった。

のこされた藍と莉桜は、東宮にある、医務室へ向かった。


.
< 66 / 103 >

この作品をシェア

pagetop