I am 吸血鬼。


屋敷の玄関を開けようと手を伸ばすと先にドアがあく。

「おかえりなさいませ」

開いた扉の先には頭を下げるユエがいる。藍は頬を緩めると中に入り、

「ただいま」

と、答える。

「ラン様就任おめでとうございます」

「…ありがとう。…頼みがあるんだけど…」

「はい、なんなりと」

藍の言葉にユエは片膝をつく。

「ピアス造って。色は藍。二人分。できたら城にいるから教えて」

「かしこまりました」

そう言って微笑みをかわすと、藍は城へと飛び立って行った。

「…忙しいひとだなぁ…」

呟きをこぼし、扉を閉めるユエであった。


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