銀のナイフと薬を手にして
温和な上司に、謝っても取り返しはつかないから、と言い捨てられたときには自分の存在ごと否定された気がした。たしかに重大なミスだった。

でも無理な仕事が重なって、チェックしてくれた先輩も見逃して……だけど紛れもなくわたしの責任だった。今も思い出すと自己嫌悪で死にたくなる。

出掛ける前にシャワーを浴びて体重計に乗ったら、五キロも落ちていた。

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