すれ違いお見合い結婚~相手は私を嫌ってるはずの幼馴染みでした~
気付いたら結婚してました
「そうそう、藍里。明日お見合いするから予定開けといてね」
「………………え?」
誰のお見合い?と問いかけると、あんたしかいないでしょ?とにこにこ顔の母親。
まるで、飼い犬である豆柴のムラサメさんの散歩に行ってきてね。と言うような軽いノリで言われた藍里は理解が追い付かなかった。
「え、え?お見合い?……私が?嘘でしょ?」
「嘘なんかじゃないわよ。藍里も、もうこれを逃したら結婚のチャンスなんて来ないと思うのよねー」
そう言いながらワクワクと、それはもう自分のことのように楽しそうにしている母親にやっと理解が追い付いた藍里は、ちょっと待って……。と青褪めた。
「お母さん……私、結婚なんて出来ない……。
知ってるでしょう?私が男の人苦手なの」
藍里は昔から男の人が苦手……と言うよりは極度の男性恐怖症だった。
特にスポーツをやっているような体格の良い人を見るだけで激しい動悸がして、冷や汗が止まらなくなるほどの重症。
それを知ってるはずの母親は、大丈夫よ。と微笑むとさらなる爆弾を投下した。
「ほら、幼稚園から一緒だった智大君。あの子がお見合い相手なのよー!
ご近所さんだったし、小さい時から一緒で気心も知れてるから男の人って言っても安心でしょう?
お母さん、昔から智大君に息子になってほしかったのよねー」
そう嬉しそうに話す母親に藍里はとうとう目眩がして、その場に倒れそうになった。
斯くしてお見合い、その日の内に婚約、三ヶ月という最短での準備期間で身内のみの結婚式を挙げた小蔦藍里は、瞬く間に男性恐怖症になった原因である幼馴染み、永瀬智大の妻となったのだった。
「………………え?」
誰のお見合い?と問いかけると、あんたしかいないでしょ?とにこにこ顔の母親。
まるで、飼い犬である豆柴のムラサメさんの散歩に行ってきてね。と言うような軽いノリで言われた藍里は理解が追い付かなかった。
「え、え?お見合い?……私が?嘘でしょ?」
「嘘なんかじゃないわよ。藍里も、もうこれを逃したら結婚のチャンスなんて来ないと思うのよねー」
そう言いながらワクワクと、それはもう自分のことのように楽しそうにしている母親にやっと理解が追い付いた藍里は、ちょっと待って……。と青褪めた。
「お母さん……私、結婚なんて出来ない……。
知ってるでしょう?私が男の人苦手なの」
藍里は昔から男の人が苦手……と言うよりは極度の男性恐怖症だった。
特にスポーツをやっているような体格の良い人を見るだけで激しい動悸がして、冷や汗が止まらなくなるほどの重症。
それを知ってるはずの母親は、大丈夫よ。と微笑むとさらなる爆弾を投下した。
「ほら、幼稚園から一緒だった智大君。あの子がお見合い相手なのよー!
ご近所さんだったし、小さい時から一緒で気心も知れてるから男の人って言っても安心でしょう?
お母さん、昔から智大君に息子になってほしかったのよねー」
そう嬉しそうに話す母親に藍里はとうとう目眩がして、その場に倒れそうになった。
斯くしてお見合い、その日の内に婚約、三ヶ月という最短での準備期間で身内のみの結婚式を挙げた小蔦藍里は、瞬く間に男性恐怖症になった原因である幼馴染み、永瀬智大の妻となったのだった。