すれ違いお見合い結婚~相手は私を嫌ってるはずの幼馴染みでした~
広い公園の丁度中央辺りにいたので出入り口まではまだ遠い。
昔から運動が苦手だった藍里は、はあっはあっと苦し気に息を吐きながら出来るだけ早く走った。
ーー見つかったら絶対怒られる……!
言いつけを守らず外に出たことに気付かれているのなら、いつ何処で見つかろうが怒られることは分かっていたのだけれど、少しでも怒られる時間を先伸ばししたくて藍里は必死に逃げた。
やっと出入り口に差し掛かり、公園から出ようと思ったら後ろから、あっ!!と声が聞こえて振り返ると、さっき智大と話していた帽子の男が人工的に作られた小川を挟んでこっちを見ていた。
「先輩っ!奥さん見つけましたっ!!東出口ですっ!!っ……!?待ってください、先輩の奥さんっ!!逃げないで下さいっ!!」
スマホで智大に連絡をしたのだろう男性の慌てたような声に藍里は走る足をさらに早めた。
公園を出て通りに出た瞬間、誰かにぶつかり持っていたバッグを落としてよろめくと腕を乱暴に掴まれ、ひっ……!!と小さく声が漏れた。
「……間違いねぇ、やっと見つけた……」
「……だ……れ……」
痛いくらい強く腕を掴まれ、ニヤッと口角を上げて笑った男の目は不自然なほど笑っていない。
知らない男に触れられ見下ろされているのが怖くて、藍里は急いで離れようと腕を振ろうとするがそれよりも早くその男は腕を掴む手に力を込めた。
昔から運動が苦手だった藍里は、はあっはあっと苦し気に息を吐きながら出来るだけ早く走った。
ーー見つかったら絶対怒られる……!
言いつけを守らず外に出たことに気付かれているのなら、いつ何処で見つかろうが怒られることは分かっていたのだけれど、少しでも怒られる時間を先伸ばししたくて藍里は必死に逃げた。
やっと出入り口に差し掛かり、公園から出ようと思ったら後ろから、あっ!!と声が聞こえて振り返ると、さっき智大と話していた帽子の男が人工的に作られた小川を挟んでこっちを見ていた。
「先輩っ!奥さん見つけましたっ!!東出口ですっ!!っ……!?待ってください、先輩の奥さんっ!!逃げないで下さいっ!!」
スマホで智大に連絡をしたのだろう男性の慌てたような声に藍里は走る足をさらに早めた。
公園を出て通りに出た瞬間、誰かにぶつかり持っていたバッグを落としてよろめくと腕を乱暴に掴まれ、ひっ……!!と小さく声が漏れた。
「……間違いねぇ、やっと見つけた……」
「……だ……れ……」
痛いくらい強く腕を掴まれ、ニヤッと口角を上げて笑った男の目は不自然なほど笑っていない。
知らない男に触れられ見下ろされているのが怖くて、藍里は急いで離れようと腕を振ろうとするがそれよりも早くその男は腕を掴む手に力を込めた。