すれ違いお見合い結婚~相手は私を嫌ってるはずの幼馴染みでした~
「改めまして、永瀬先輩の後輩の入江です」
「上官の室山です」
「妻の藍里です。ほら、藍里」
「……っ……」
先日同様に人懐っこい笑みを浮かべる入江に、強面ながらも明るい笑顔を見せる室山。
そしてそんな二人に藍里の代わりに紹介してくれた智大。
何か一言、と促されるが藍里はカチコチに固まってしまい口を動かすことができなかった。
「……すみません、やはり無理なようです」
「まあいきなりは無理だろうな。そのうち気を許してもらえればいいって」
「そうですよ。奥さんの気持ちはこのご馳走を見れば十分伝わってきますから」
入江がそう言いながらキッチンテーブルに並べられた手作り感のある豪勢な食事を見ると、室山も深く頷いた。
藍里の事を鑑みた結果、外でたくさんの人がいる中でよりも家での顔合わせが良いだろうとなったと聞き、数日間メニューを必死に考えて前日から仕込み、今朝から用意している手の込みようだった。
「本気で旨そうですね。早速ですけど、もう食べていいですか?」
「おい入江、少しは遠慮を……」
「あ、いえ……。どうぞ……召し上がって下さい……」
「お、なら遠慮なく」
「あっ!室山先輩ズルいです!それ僕が狙ってた唐揚げですよっ!?」
「あ?早いもん勝ちだろ」
正面に座っている二人が競い合うように次々に料理に手をつけては平らげていく。
その早さや動作、気迫も感じ取れる食べっぷりに藍里は顔を引きつらせた。
「上官の室山です」
「妻の藍里です。ほら、藍里」
「……っ……」
先日同様に人懐っこい笑みを浮かべる入江に、強面ながらも明るい笑顔を見せる室山。
そしてそんな二人に藍里の代わりに紹介してくれた智大。
何か一言、と促されるが藍里はカチコチに固まってしまい口を動かすことができなかった。
「……すみません、やはり無理なようです」
「まあいきなりは無理だろうな。そのうち気を許してもらえればいいって」
「そうですよ。奥さんの気持ちはこのご馳走を見れば十分伝わってきますから」
入江がそう言いながらキッチンテーブルに並べられた手作り感のある豪勢な食事を見ると、室山も深く頷いた。
藍里の事を鑑みた結果、外でたくさんの人がいる中でよりも家での顔合わせが良いだろうとなったと聞き、数日間メニューを必死に考えて前日から仕込み、今朝から用意している手の込みようだった。
「本気で旨そうですね。早速ですけど、もう食べていいですか?」
「おい入江、少しは遠慮を……」
「あ、いえ……。どうぞ……召し上がって下さい……」
「お、なら遠慮なく」
「あっ!室山先輩ズルいです!それ僕が狙ってた唐揚げですよっ!?」
「あ?早いもん勝ちだろ」
正面に座っている二人が競い合うように次々に料理に手をつけては平らげていく。
その早さや動作、気迫も感じ取れる食べっぷりに藍里は顔を引きつらせた。