すれ違いお見合い結婚~相手は私を嫌ってるはずの幼馴染みでした~
「本当は言いたくなかったんだけど……吉嶺を妬んでた」
智大から出た言葉に藍里はキョトンとした。
“妬む”なんて智大からは一番遠い言葉のように思えたし、その相手が吉嶺だと言うのも意外だった。
「どうして……?」
「吉嶺は地域課で、不審者とかそういう情報が手に入りやすい。
藍里に誰よりも早く注意を促せて実際守れるのも、特殊班の俺じゃなくて地域課の吉嶺だ」
それは仕方のないことだった。
智大のような特殊班は大きな事件担当なので、地域で起こるような事件はそこに担う警察官が、まだ小さな事件の間に解決するのに努める。
それが分かっているはずなのに、何故妬むことになるのか藍里には全く分からなかった。
「吉嶺さんはそれがお仕事でしょ?智君はそれよりも大きな事件のためにいつも頑張ってるじゃない」
「仕方ないのは分かってるけど、それでも羨ましく感じるんだ。……それに、他にも吉嶺に妬む要素がある」
「他にも?」
仕事関係以外で他に何がと思っていると、智大はさっきよりもとても言い辛そうにしていた。
その様子を見るに、きっと言いたくないことなのだろうけれど、何があったのか言ってくれないと前のように最低限にしか接することしか出来なくなると言ったのは智大自身だ。
何としてもそれだけは避けたい藍里は、じっと智大の言葉を待つ。
その様子に観念した智大は、やがて重い口を開いた。
智大から出た言葉に藍里はキョトンとした。
“妬む”なんて智大からは一番遠い言葉のように思えたし、その相手が吉嶺だと言うのも意外だった。
「どうして……?」
「吉嶺は地域課で、不審者とかそういう情報が手に入りやすい。
藍里に誰よりも早く注意を促せて実際守れるのも、特殊班の俺じゃなくて地域課の吉嶺だ」
それは仕方のないことだった。
智大のような特殊班は大きな事件担当なので、地域で起こるような事件はそこに担う警察官が、まだ小さな事件の間に解決するのに努める。
それが分かっているはずなのに、何故妬むことになるのか藍里には全く分からなかった。
「吉嶺さんはそれがお仕事でしょ?智君はそれよりも大きな事件のためにいつも頑張ってるじゃない」
「仕方ないのは分かってるけど、それでも羨ましく感じるんだ。……それに、他にも吉嶺に妬む要素がある」
「他にも?」
仕事関係以外で他に何がと思っていると、智大はさっきよりもとても言い辛そうにしていた。
その様子を見るに、きっと言いたくないことなのだろうけれど、何があったのか言ってくれないと前のように最低限にしか接することしか出来なくなると言ったのは智大自身だ。
何としてもそれだけは避けたい藍里は、じっと智大の言葉を待つ。
その様子に観念した智大は、やがて重い口を開いた。