すれ違いお見合い結婚~相手は私を嫌ってるはずの幼馴染みでした~
体や頭を洗っている間は静かだったが、入浴剤を入れた湯船に入った瞬間、見計らったように智大が声をかけてきた。
「吉嶺に連絡した」
「え、吉嶺さん?」
唐突に出てきた吉嶺の名前に驚いていると智大は、本当は不本意だけどな。と少し悔しそうにしていた。
「藍里が盗撮されたって通報した。すぐに見回りを強化して、怪しい奴を片っ端から捕まえるって言っていた。
……俺がすぐに追いかけて捕まえられたら良かったんだが、一人にしておけないからな」
「あ……」
誰を、なんて聞くだけ野暮で。
藍里は、犯人を捕まえるためだとは言えあんな状況で一人にされなくて良かったと安堵の息をはいた。
「あと、あの公園に無理に連れて行ったが……上書きできたか?」
「え?上書き……って……」
唐突に言われた言葉に藍里は首を傾げる。
そして、智大が些か強引に藍里をあの公園に連れていったのは辛い思い出を残すのではなく、ちゃんと楽しい思い出を作って連れ去り事件の恐怖の上書きをさせようとしてくれたのだと察した。
「吉嶺に連絡した」
「え、吉嶺さん?」
唐突に出てきた吉嶺の名前に驚いていると智大は、本当は不本意だけどな。と少し悔しそうにしていた。
「藍里が盗撮されたって通報した。すぐに見回りを強化して、怪しい奴を片っ端から捕まえるって言っていた。
……俺がすぐに追いかけて捕まえられたら良かったんだが、一人にしておけないからな」
「あ……」
誰を、なんて聞くだけ野暮で。
藍里は、犯人を捕まえるためだとは言えあんな状況で一人にされなくて良かったと安堵の息をはいた。
「あと、あの公園に無理に連れて行ったが……上書きできたか?」
「え?上書き……って……」
唐突に言われた言葉に藍里は首を傾げる。
そして、智大が些か強引に藍里をあの公園に連れていったのは辛い思い出を残すのではなく、ちゃんと楽しい思い出を作って連れ去り事件の恐怖の上書きをさせようとしてくれたのだと察した。