すれ違いお見合い結婚~相手は私を嫌ってるはずの幼馴染みでした~
「ここでは話も出来ないから移動するぞ」
「え?わ……っ」
言い終わると同時に自然な動作で抱き上げられ、藍里は驚きのあまり咄嗟に智大に抱きついた。
ソファに座らされて智大の腕が離れていくのに不安を感じて思わず服の袖を掴めば、目を細めた智大が何も言わずに隣に座った。
「何なんですか、朝っぱらから呼び出しておいて見せつけですか……勘弁してくださいよ」
酷く嫌そうな顔をしている吉嶺に藍里は慌てて智大の服から手を離そうとしたが、智大に手を掴まれてそれは叶わなかった。
「怯えてる妻を安心させるのは、夫である俺の務めだろ。いいから早くそこに座れ、話が進まないだろう」
「あなた、本当に悪びれって物がないですね!」
「吉嶺は逆に遠慮ってものがなさすぎるんだよ……。すみません、失礼させてもらいます」
吉嶺は少し大股で歩き向かいのソファに座り、松浦は呆れながらその隣に座った。
そしてチラッと吉嶺がこっちを見てきたので視線を感じた藍里も見返すと、吉嶺は頬を染めて片手で口を覆った。
「本当、怯えた表情も袖を掴んでるのも可愛い……。藍里さん、やっぱり僕に乗り換えませんか?試しに僕に抱きついてみてください。安心するかもしれないですよ」
言い終わると同時に期待を込めた眼差しで腕を広げられた。
けれど藍里は吉嶺のその動作に恐怖を感じて首を振ると、智大の腕に縋るように抱きついた。
「ご、ごめんなさい……智君以外の人だと怖くて……。それに、安心もできないので……」
「あー……羨ましい……もう俺が抱きつきにいきたい……」
「吉嶺、お前もう黙っとけ」
何の話もしていないのにすでに疲れている松浦と、藍里の言葉に項垂れて悶えた吉嶺に困って智大を見上げると、智大は吉嶺に対して勝ち誇った顔をしていた。
「え?わ……っ」
言い終わると同時に自然な動作で抱き上げられ、藍里は驚きのあまり咄嗟に智大に抱きついた。
ソファに座らされて智大の腕が離れていくのに不安を感じて思わず服の袖を掴めば、目を細めた智大が何も言わずに隣に座った。
「何なんですか、朝っぱらから呼び出しておいて見せつけですか……勘弁してくださいよ」
酷く嫌そうな顔をしている吉嶺に藍里は慌てて智大の服から手を離そうとしたが、智大に手を掴まれてそれは叶わなかった。
「怯えてる妻を安心させるのは、夫である俺の務めだろ。いいから早くそこに座れ、話が進まないだろう」
「あなた、本当に悪びれって物がないですね!」
「吉嶺は逆に遠慮ってものがなさすぎるんだよ……。すみません、失礼させてもらいます」
吉嶺は少し大股で歩き向かいのソファに座り、松浦は呆れながらその隣に座った。
そしてチラッと吉嶺がこっちを見てきたので視線を感じた藍里も見返すと、吉嶺は頬を染めて片手で口を覆った。
「本当、怯えた表情も袖を掴んでるのも可愛い……。藍里さん、やっぱり僕に乗り換えませんか?試しに僕に抱きついてみてください。安心するかもしれないですよ」
言い終わると同時に期待を込めた眼差しで腕を広げられた。
けれど藍里は吉嶺のその動作に恐怖を感じて首を振ると、智大の腕に縋るように抱きついた。
「ご、ごめんなさい……智君以外の人だと怖くて……。それに、安心もできないので……」
「あー……羨ましい……もう俺が抱きつきにいきたい……」
「吉嶺、お前もう黙っとけ」
何の話もしていないのにすでに疲れている松浦と、藍里の言葉に項垂れて悶えた吉嶺に困って智大を見上げると、智大は吉嶺に対して勝ち誇った顔をしていた。