すれ違いお見合い結婚~相手は私を嫌ってるはずの幼馴染みでした~
「ど……して……どうしてお前ばかりが、その人に触れられるんだよっ!!」
突然の怒鳴り声にさらにビクッと反応する。
怖くて仕方ないが、智大の温もりのおかげで藍里はまだ立っていられた。
そんな様子も面白くないのかストーカーは、何で……!どうして……っ!!と何度も繰り返していた。
「お前が……お前のせいで……!その人の一番素敵な表情が減ったんだ!!返せっ!!返せよっ!!」
「何言ってんだ。こいつの一番いい表情は最近増えてるだろ」
「違うっ!!僕は……僕はその人の恐怖にまみれた怯えた表情が好きなんだっ!!」
辺り一面に響き渡りそうな大声で言い切ったストーカーの言葉に藍里は愕然とした。
何を言っているのか理解に苦しむところだったが、ストーカーは尚も話し続けた。
「あの連れ去り事件……僕の家が近所でたまたま近くで見てたんだけど、あの時に一目惚れしたんだ……。小柄で、今にも事切れてしまうんじゃないかってくらいか細い息をして苦しんでる悲痛な姿に……。
それから、どこの誰か調べて手紙を書いて、直接ポストに入れて……遠くから様子を見ていたら僕からの手紙に気付く度に怯えた表情をするのに胸が高鳴った。僕の視線に気付いて、不安そうにしているのを見て興奮した。
なのに……お前が傍にいると笑顔が増えて、怯えた表情が見れないんだ!」
最初は高揚とした声で話していたストーカーは、最後には智大に憎しみをぶつけるかのような声を出していた。
胸に頭を押し付けられている今、藍里は智大の様子を伺うことは出来ないが、智大は込み上げる怒りを必死に押さえているようで、たまに藍里の手を握る手に力が込もって痛かった。
突然の怒鳴り声にさらにビクッと反応する。
怖くて仕方ないが、智大の温もりのおかげで藍里はまだ立っていられた。
そんな様子も面白くないのかストーカーは、何で……!どうして……っ!!と何度も繰り返していた。
「お前が……お前のせいで……!その人の一番素敵な表情が減ったんだ!!返せっ!!返せよっ!!」
「何言ってんだ。こいつの一番いい表情は最近増えてるだろ」
「違うっ!!僕は……僕はその人の恐怖にまみれた怯えた表情が好きなんだっ!!」
辺り一面に響き渡りそうな大声で言い切ったストーカーの言葉に藍里は愕然とした。
何を言っているのか理解に苦しむところだったが、ストーカーは尚も話し続けた。
「あの連れ去り事件……僕の家が近所でたまたま近くで見てたんだけど、あの時に一目惚れしたんだ……。小柄で、今にも事切れてしまうんじゃないかってくらいか細い息をして苦しんでる悲痛な姿に……。
それから、どこの誰か調べて手紙を書いて、直接ポストに入れて……遠くから様子を見ていたら僕からの手紙に気付く度に怯えた表情をするのに胸が高鳴った。僕の視線に気付いて、不安そうにしているのを見て興奮した。
なのに……お前が傍にいると笑顔が増えて、怯えた表情が見れないんだ!」
最初は高揚とした声で話していたストーカーは、最後には智大に憎しみをぶつけるかのような声を出していた。
胸に頭を押し付けられている今、藍里は智大の様子を伺うことは出来ないが、智大は込み上げる怒りを必死に押さえているようで、たまに藍里の手を握る手に力が込もって痛かった。