すれ違いお見合い結婚~相手は私を嫌ってるはずの幼馴染みでした~
「いや、先輩、こいつ俺の運命の人にワケわかんないこと言って近づこうとしたんですよ?正当防衛です」
「過剰防衛だ、この馬鹿がっ!!大体、お前のは防衛じゃない、急襲だっ!」
「いやいや、隙をついただけです。被害者を守っただけですよ」
「被害者は旦那に守られていただろう!?」
「旦那さんに良いとこばっかり取られてたら、俺にチャンス回ってこないじゃないですか。それに、俺が何もしなかったら吊り橋効果狙えないですし」
「はあ!?」
吉嶺と先輩と言われる人の会話に藍里はついていけずに恐る恐る智大を見上げると、それに気付いた智大は藍里に目を向けて肩を竦めた。
「と、智君……今、どんな状況……?」
「吉嶺がストーカーを足蹴にしながら、先輩らしい人と言い合いしてる」
「あ……足蹴……」
今も尚言い合いしているらしい二人の声の合間から、ストーカーの苦しそうなくぐもった声が確かに聞こえる。
少しだけ離れていいかと聞かれて頷くと、智大は藍里から手を離して三人の方へと歩いていく。
智大に気付いた吉嶺と先輩は言い合いを止め、一言二言話した後、吉嶺が地面に倒れたままのストーカーから足を退けると、智大がストーカーの胸ぐらを掴んで上半身を持ち上げた。
「過剰防衛だ、この馬鹿がっ!!大体、お前のは防衛じゃない、急襲だっ!」
「いやいや、隙をついただけです。被害者を守っただけですよ」
「被害者は旦那に守られていただろう!?」
「旦那さんに良いとこばっかり取られてたら、俺にチャンス回ってこないじゃないですか。それに、俺が何もしなかったら吊り橋効果狙えないですし」
「はあ!?」
吉嶺と先輩と言われる人の会話に藍里はついていけずに恐る恐る智大を見上げると、それに気付いた智大は藍里に目を向けて肩を竦めた。
「と、智君……今、どんな状況……?」
「吉嶺がストーカーを足蹴にしながら、先輩らしい人と言い合いしてる」
「あ……足蹴……」
今も尚言い合いしているらしい二人の声の合間から、ストーカーの苦しそうなくぐもった声が確かに聞こえる。
少しだけ離れていいかと聞かれて頷くと、智大は藍里から手を離して三人の方へと歩いていく。
智大に気付いた吉嶺と先輩は言い合いを止め、一言二言話した後、吉嶺が地面に倒れたままのストーカーから足を退けると、智大がストーカーの胸ぐらを掴んで上半身を持ち上げた。