すれ違いお見合い結婚~相手は私を嫌ってるはずの幼馴染みでした~
それから二時間後。
ようやく覚醒した智大は寝ぼけていた間のことをやはり全く覚えていなくて、藍里は不満から眉を潜めていた。
「ベッドに行こうって言ったのに……」
「覚えてない」
「どれだけ離れようとしても、全然離してくれなかったんだよ?」
「無意識の行動だな。藍里は抱き心地が良いから」
「っ……たくさんキスされて恥ずかしかった……!」
「それを覚えてないのは勿体なかったな……」
そこが問題じゃないっ!!と藍里は拗ねてキッチンへと向かい朝食の準備を始めると、少し遅れてキッチンについてきた智大は肩を揺らして笑っていた。
「……何で笑ってるの?」
「笑ってない。ほら、悪かったって。機嫌直せよ」
「絶対思ってないし、笑ってるじゃない!」
藍里が言い返せば言い返すほど、智大は楽しそうに笑う。
そんな智大を見ていたら一人で拗ねていた自分が可笑しく思えてきて、いつしか二人で声を出して笑っていた。
「いいな、こう言うの。藍里がこんなに言い返してくる日が来るなんて思わなかった」
「私も……智君とこんなふうに話せるようになるなんて思わなかった」
「喧嘩もしてみるもんだな」
「私はもう嫌……。でも、もしまた喧嘩しちゃっても……家にはちゃんと帰ってきてほしいな………」
嫌かな?と思いながら口にしてみれば、智大が後ろから藍里を抱きしめた。
ドキッとしながら顔だけ振り向かせると、智大は優しく目を細めていて、それを間近で見た藍里は鼓動が速まるのを感じた。
「ちゃんと帰る。家じゃなくて、藍里のところに」
耳元でそんなことを囁かれ、藍里は両手で真っ赤になった顔を覆うと小さく頷いた。
ようやく覚醒した智大は寝ぼけていた間のことをやはり全く覚えていなくて、藍里は不満から眉を潜めていた。
「ベッドに行こうって言ったのに……」
「覚えてない」
「どれだけ離れようとしても、全然離してくれなかったんだよ?」
「無意識の行動だな。藍里は抱き心地が良いから」
「っ……たくさんキスされて恥ずかしかった……!」
「それを覚えてないのは勿体なかったな……」
そこが問題じゃないっ!!と藍里は拗ねてキッチンへと向かい朝食の準備を始めると、少し遅れてキッチンについてきた智大は肩を揺らして笑っていた。
「……何で笑ってるの?」
「笑ってない。ほら、悪かったって。機嫌直せよ」
「絶対思ってないし、笑ってるじゃない!」
藍里が言い返せば言い返すほど、智大は楽しそうに笑う。
そんな智大を見ていたら一人で拗ねていた自分が可笑しく思えてきて、いつしか二人で声を出して笑っていた。
「いいな、こう言うの。藍里がこんなに言い返してくる日が来るなんて思わなかった」
「私も……智君とこんなふうに話せるようになるなんて思わなかった」
「喧嘩もしてみるもんだな」
「私はもう嫌……。でも、もしまた喧嘩しちゃっても……家にはちゃんと帰ってきてほしいな………」
嫌かな?と思いながら口にしてみれば、智大が後ろから藍里を抱きしめた。
ドキッとしながら顔だけ振り向かせると、智大は優しく目を細めていて、それを間近で見た藍里は鼓動が速まるのを感じた。
「ちゃんと帰る。家じゃなくて、藍里のところに」
耳元でそんなことを囁かれ、藍里は両手で真っ赤になった顔を覆うと小さく頷いた。