すれ違いお見合い結婚~相手は私を嫌ってるはずの幼馴染みでした~
「えっと……家でゆっくりしなくてよかったの?私、一人でも大丈夫だよ?」
「無理矢理三日も休まされるんだ。それなのにずっと家にいてたら体が鈍るから、体動かすついでだ」
「そっか……」
そこで会話は途切れ、藍里はたまにチラッと智大を見ながら職場のトリミングサロンへの道を歩いていた。
怪我の療養という名目で電話で三日間の休みを言い渡されたらしい智大は、家にいても暇だからと出勤する藍里についてきていた。
暫く無言で歩いていたが智大が、いや、違うな……。と呟いたので見上げると、智大は何か考えるように明後日の方向を向いていた。
「……何が違うの?」
「体が鈍るだけが理由じゃなくて、せっかくの休みだから少しでも長く藍里と一緒にいたいって思ったんだ」
少し照れているのか智大は珍しくはにかんでいて、藍里もつられるように少し頬を染めると智大の手にそっと触れた。
「私も、一緒にいたいって思ってた」
素直な気持ちを口にすれば、智大は目を細めて微笑む。
またこうやって笑顔を向けてもらえてよかったと胸を撫で下ろしていると、智大は少しだけ身を屈めた。
「……あのさ、藍里がよければ今度……」
「あのですね。前にも言いましたけど、仲が良いのを見せつけるのやめてくれます?」
智大が何か言おうとしていたが、言葉を遮るように聞いたことのある声が聞こえてきて藍里は固まった。
ゆっくりと後ろを振り返れば、そこには警官姿で不機嫌そうな吉嶺と困り顔の松浦がそこにいた。
「無理矢理三日も休まされるんだ。それなのにずっと家にいてたら体が鈍るから、体動かすついでだ」
「そっか……」
そこで会話は途切れ、藍里はたまにチラッと智大を見ながら職場のトリミングサロンへの道を歩いていた。
怪我の療養という名目で電話で三日間の休みを言い渡されたらしい智大は、家にいても暇だからと出勤する藍里についてきていた。
暫く無言で歩いていたが智大が、いや、違うな……。と呟いたので見上げると、智大は何か考えるように明後日の方向を向いていた。
「……何が違うの?」
「体が鈍るだけが理由じゃなくて、せっかくの休みだから少しでも長く藍里と一緒にいたいって思ったんだ」
少し照れているのか智大は珍しくはにかんでいて、藍里もつられるように少し頬を染めると智大の手にそっと触れた。
「私も、一緒にいたいって思ってた」
素直な気持ちを口にすれば、智大は目を細めて微笑む。
またこうやって笑顔を向けてもらえてよかったと胸を撫で下ろしていると、智大は少しだけ身を屈めた。
「……あのさ、藍里がよければ今度……」
「あのですね。前にも言いましたけど、仲が良いのを見せつけるのやめてくれます?」
智大が何か言おうとしていたが、言葉を遮るように聞いたことのある声が聞こえてきて藍里は固まった。
ゆっくりと後ろを振り返れば、そこには警官姿で不機嫌そうな吉嶺と困り顔の松浦がそこにいた。