すれ違いお見合い結婚~相手は私を嫌ってるはずの幼馴染みでした~
「何でだよー!俺達、この歳になって今までやってきたことの罪悪感が凄くてさ……。
この機会を逃したらもう会えないかもしれないだろ?だから、今のうちに小蔦に謝りたいんだよ」
「頼むよ智大。小蔦だって“謝れ”って絶対思って……」
「藍里はそんなこと思ってないぞ」
智大の言葉に周りも藍里も目を見開いた。
智大はそんな回りの様子を気にすることなく、謝りたいと言った人達をじっと見ていた。
「いいか?昔のことを謝りたいって言うのは、お前達がスッキリしたいが為の自己満足でしかない。藍里の性格上、男のお前達に面と向かって謝られたら恐怖を感じながら“許す”と言わないといけなくなる。
それが今も尚、深く傷ついていて許したくなんかなくてもだ。俺はそんなこと、藍里にさせたくないからな」
周りが言葉を失ってシンと静まり返った。
藍里が大きな瞳を揺らしたまま智大を見つめていると、千栄が背中をポンッと叩いた。
「さすが長年片想いしてただけあって、藍里のこと良くわかってるじゃない」
「千栄……」
「ま、私から言わせれば、永瀬も藍里をずっと傷つけてた張本人だから、“お前が言うな”とも思うけどね」
「でも、智君は……」
「また別なんでしょ?愛されてるわねー、永瀬は」
「も、もう千栄!からかわないでよ……!」
「からかってないわよ、真実を言ってるだけ」
そう言いながらニッと笑った千栄に、藍里は困った顔をしながら微笑んだ。
もう一度智大を見ると、藍里との橋渡しをキッパリと拒否された男性達が項垂れているのを見て、藍里は勇気を出して智大の方へと向かった。
この機会を逃したらもう会えないかもしれないだろ?だから、今のうちに小蔦に謝りたいんだよ」
「頼むよ智大。小蔦だって“謝れ”って絶対思って……」
「藍里はそんなこと思ってないぞ」
智大の言葉に周りも藍里も目を見開いた。
智大はそんな回りの様子を気にすることなく、謝りたいと言った人達をじっと見ていた。
「いいか?昔のことを謝りたいって言うのは、お前達がスッキリしたいが為の自己満足でしかない。藍里の性格上、男のお前達に面と向かって謝られたら恐怖を感じながら“許す”と言わないといけなくなる。
それが今も尚、深く傷ついていて許したくなんかなくてもだ。俺はそんなこと、藍里にさせたくないからな」
周りが言葉を失ってシンと静まり返った。
藍里が大きな瞳を揺らしたまま智大を見つめていると、千栄が背中をポンッと叩いた。
「さすが長年片想いしてただけあって、藍里のこと良くわかってるじゃない」
「千栄……」
「ま、私から言わせれば、永瀬も藍里をずっと傷つけてた張本人だから、“お前が言うな”とも思うけどね」
「でも、智君は……」
「また別なんでしょ?愛されてるわねー、永瀬は」
「も、もう千栄!からかわないでよ……!」
「からかってないわよ、真実を言ってるだけ」
そう言いながらニッと笑った千栄に、藍里は困った顔をしながら微笑んだ。
もう一度智大を見ると、藍里との橋渡しをキッパリと拒否された男性達が項垂れているのを見て、藍里は勇気を出して智大の方へと向かった。