すれ違いお見合い結婚~相手は私を嫌ってるはずの幼馴染みでした~
「わ……っ!このソース美味しい!」
メインのステーキを藍里が焼いている間に、智大はお手製のソースを作っていた。
さっぱりした味なので、脂が苦手な藍里でも多めに食べられそうだと目を輝かせながら食べていると、智大は嬉しそうにしていた。
「警察寮に入ってた時に食堂の人に教わったんだ。藍里が好きそうな味だと思ってた」
「うん、この味大好き!」
美味しいと思いながら食べていると、智大はまだ一口も食べずに頬杖をつきながら藍里を見ているのに気付いた。
「あ……!そっか、ごめんね自分だけ……!」
「ん?」
「はい、あーん」
フォークに刺した一口サイズの肉を智大に差し出せば、智大は目を丸くした。
ん?と思って首を傾げれば、智大が頬杖をついていた右手を見てハッとした。
「あ!そ、そうだった……!ごめんね!つい今朝までのクセで……もう治ったんだから、食べさせなくて大丈夫だよね……!」
今までは利き手が不自由だったから手伝っていただけで、今日からはそんなお世話は不要になった。
その事に今更ながら気付いた藍里は慌てて謝った後に、視線を斜め下にずらした。
「……少しだけ、残念だな……」
智大のお世話をして、役に立てていたことが楽しかったと、心に思ったことが口に出ていることに気付かなかった藍里は、小さく呟いた声がしっかりと智大の耳に届いてしまったことなど知らずにゆっくりとフォークを下げた。
メインのステーキを藍里が焼いている間に、智大はお手製のソースを作っていた。
さっぱりした味なので、脂が苦手な藍里でも多めに食べられそうだと目を輝かせながら食べていると、智大は嬉しそうにしていた。
「警察寮に入ってた時に食堂の人に教わったんだ。藍里が好きそうな味だと思ってた」
「うん、この味大好き!」
美味しいと思いながら食べていると、智大はまだ一口も食べずに頬杖をつきながら藍里を見ているのに気付いた。
「あ……!そっか、ごめんね自分だけ……!」
「ん?」
「はい、あーん」
フォークに刺した一口サイズの肉を智大に差し出せば、智大は目を丸くした。
ん?と思って首を傾げれば、智大が頬杖をついていた右手を見てハッとした。
「あ!そ、そうだった……!ごめんね!つい今朝までのクセで……もう治ったんだから、食べさせなくて大丈夫だよね……!」
今までは利き手が不自由だったから手伝っていただけで、今日からはそんなお世話は不要になった。
その事に今更ながら気付いた藍里は慌てて謝った後に、視線を斜め下にずらした。
「……少しだけ、残念だな……」
智大のお世話をして、役に立てていたことが楽しかったと、心に思ったことが口に出ていることに気付かなかった藍里は、小さく呟いた声がしっかりと智大の耳に届いてしまったことなど知らずにゆっくりとフォークを下げた。