すれ違いお見合い結婚~相手は私を嫌ってるはずの幼馴染みでした~
〈智大side〉
「永瀬!次、こっちの書類にも目を通しておいてくれ」
「……またですか」
普段なら今頃過酷な訓練の真っ只中のはずなのに、今は滅多に座らない椅子に座らされ、机に置かれた大量の書類を見せられている。
調書と言われているその書類は本来なら特殊班である自分が関わることの少ない書類だが、何せ昨日の事件の現場にいたのも犯人を一早く取り押さえたのも自分となると、事実確認やら何やらの業務に駆り出されるのは仕方なかった。
それでも、書類仕事が苦手な智大がこうやってじっと座って書類を見続けているよりは少しでも体を動かしたいと思うのは仕方ないことだった。
「それにしても、こんなスピード解決なかなかないぞ。
被害者には災難だったけど、こっちとしては永瀬がいてラッキーだったな。みんなそう言ってるぞ」
「ああ……そうみたいですね。ただ、それを事件に突然巻き込まれただけの単なる一般人でしかない被害者である妻にも言ってしまうのはどうかと思いますけど」
「は!?そんなこと言った奴がいるのか!?被害者に!?」
どこの誰だよ!?と言われ智大は手にした書類を無造作に机に置くと、常識外れな話を聞いて憤慨している室山を見ることなく、妻に事情聴取した女性警察官二人です。と言った。
藍里が聴取を受けている時、邪魔にならないように智大は病室の扉の前にいた。
たまに漏れ聞こえてくる声に藍里の声はなかったが女性警察官二人の声はよく聞こえた。
「マジかよ……絶対被害者を前にして言ったら駄目なやつだろ」
「そうですよ。なので、その二人には勿論ですけど、上司の方にも厳重注意させてもらいました」
「ああ……珍しく昼に一回抜け出したと思ったら抗議しに行ってたんだな」
朝からめちゃくちゃ機嫌悪いと思ってたんだよ。と苦笑され智大は眉を潜めた。
「永瀬!次、こっちの書類にも目を通しておいてくれ」
「……またですか」
普段なら今頃過酷な訓練の真っ只中のはずなのに、今は滅多に座らない椅子に座らされ、机に置かれた大量の書類を見せられている。
調書と言われているその書類は本来なら特殊班である自分が関わることの少ない書類だが、何せ昨日の事件の現場にいたのも犯人を一早く取り押さえたのも自分となると、事実確認やら何やらの業務に駆り出されるのは仕方なかった。
それでも、書類仕事が苦手な智大がこうやってじっと座って書類を見続けているよりは少しでも体を動かしたいと思うのは仕方ないことだった。
「それにしても、こんなスピード解決なかなかないぞ。
被害者には災難だったけど、こっちとしては永瀬がいてラッキーだったな。みんなそう言ってるぞ」
「ああ……そうみたいですね。ただ、それを事件に突然巻き込まれただけの単なる一般人でしかない被害者である妻にも言ってしまうのはどうかと思いますけど」
「は!?そんなこと言った奴がいるのか!?被害者に!?」
どこの誰だよ!?と言われ智大は手にした書類を無造作に机に置くと、常識外れな話を聞いて憤慨している室山を見ることなく、妻に事情聴取した女性警察官二人です。と言った。
藍里が聴取を受けている時、邪魔にならないように智大は病室の扉の前にいた。
たまに漏れ聞こえてくる声に藍里の声はなかったが女性警察官二人の声はよく聞こえた。
「マジかよ……絶対被害者を前にして言ったら駄目なやつだろ」
「そうですよ。なので、その二人には勿論ですけど、上司の方にも厳重注意させてもらいました」
「ああ……珍しく昼に一回抜け出したと思ったら抗議しに行ってたんだな」
朝からめちゃくちゃ機嫌悪いと思ってたんだよ。と苦笑され智大は眉を潜めた。