すれ違いお見合い結婚~相手は私を嫌ってるはずの幼馴染みでした~
ドアが開き、そして閉まる。
ベッドに近付く足音も聞こえるが、眠れなかった藍里にはもうどうすることもできなかった。
いつもよりグッと体を縮こませ、震える体を抱きしめて強く目を瞑る。
そんなことしか出来ず、ただひたすら何に対してなのか自分でも分からない何かと戦っていると、ついに智大がベッドの隣に立った気配がした。
それから短いようで長い時が流れ、何故か身動きしていなかった智大の指先が不意に藍里の頬に触れた。
思ってもなかった接触にビクッと反応してしまうと同時に大きく目を見開くと、頭上にも驚いたように目を見開いた智大がいた。
「……起きてたのか……」
それは帰ってきた時と同じ言葉。
けれどさっきと違うのは、無表情などではなく明らかに動揺した様子だったこと。
藍里は何て答えたらいいのか分からず視線だけをさ迷わせて、やがて小さく頷いた。
それを見て智大は顔を反らし片手で口を覆うと、あー……。と声を漏らした。
「……震えてたから、寒いのかと思っただけだ。他意はない」
「あ……うん……?」
いつも通りの素っ気ない言い方だけど少し早口で、珍しく焦っているのが分かるからかさっきよりも怖くなかった。
首を傾げながら何故そこまで焦っているのだろうと思っていると、気まずそうな智大と目が合った。
ベッドに近付く足音も聞こえるが、眠れなかった藍里にはもうどうすることもできなかった。
いつもよりグッと体を縮こませ、震える体を抱きしめて強く目を瞑る。
そんなことしか出来ず、ただひたすら何に対してなのか自分でも分からない何かと戦っていると、ついに智大がベッドの隣に立った気配がした。
それから短いようで長い時が流れ、何故か身動きしていなかった智大の指先が不意に藍里の頬に触れた。
思ってもなかった接触にビクッと反応してしまうと同時に大きく目を見開くと、頭上にも驚いたように目を見開いた智大がいた。
「……起きてたのか……」
それは帰ってきた時と同じ言葉。
けれどさっきと違うのは、無表情などではなく明らかに動揺した様子だったこと。
藍里は何て答えたらいいのか分からず視線だけをさ迷わせて、やがて小さく頷いた。
それを見て智大は顔を反らし片手で口を覆うと、あー……。と声を漏らした。
「……震えてたから、寒いのかと思っただけだ。他意はない」
「あ……うん……?」
いつも通りの素っ気ない言い方だけど少し早口で、珍しく焦っているのが分かるからかさっきよりも怖くなかった。
首を傾げながら何故そこまで焦っているのだろうと思っていると、気まずそうな智大と目が合った。