すれ違いお見合い結婚~相手は私を嫌ってるはずの幼馴染みでした~
目が覚めた時には藍里は薄暗い寝室のベッドの上にいた。
ぼんやりとここにいる理由を思い出そうとして、ふと左手に違和感を感じてゆっくりと手を上げた。
「……包帯……」
指先だから出血は多少多かったにしても、絆創膏で事足りたはずの指には大袈裟にも包帯が綺麗に巻かれていた。
ーーそうだ……。手を伸ばされて、驚いて、それで……。
意識を失う寸前の事を思い出し、藍里はギュッと目を瞑った。
いくら驚いたからと言って、包丁をあんな風に手離したら智大が怒るのは当然だ。
それなのに意識を失った藍里を二階の寝室まで運び、さらには傷の手当てまでしてくれている。
キッチンで倒れたままでは邪魔だっただけかもしれないがそれならリビングに転がしておけばよかったはずなのだ。
藍里の事を嫌っているはずの智大の垣間見える優しさに戸惑うが、まずするべきことがある事を思い出し、藍里は徐に起き上がり寝室を後にした。
すでに遅い時間で智大が何かしている気配もないので、藍里は最近智大が寝ているリビングのソファに向かった。
案の定ソファからは長い足が出ていて、智大がそこにいることを主張している。
正面に回って少し離れた絨毯の上に座り、藍里はどうしようかと暫し智大を見つめて思案した。
ここに来たのは謝ろうと思ったから。
けれど、こんな夜中に起こしてまで言うことだろうかとも思ってしまう。
またあの剣幕で怒られるのも怖いし……。と少しずつ俯きがちになっていると、智大が動いた気配がした。
ぼんやりとここにいる理由を思い出そうとして、ふと左手に違和感を感じてゆっくりと手を上げた。
「……包帯……」
指先だから出血は多少多かったにしても、絆創膏で事足りたはずの指には大袈裟にも包帯が綺麗に巻かれていた。
ーーそうだ……。手を伸ばされて、驚いて、それで……。
意識を失う寸前の事を思い出し、藍里はギュッと目を瞑った。
いくら驚いたからと言って、包丁をあんな風に手離したら智大が怒るのは当然だ。
それなのに意識を失った藍里を二階の寝室まで運び、さらには傷の手当てまでしてくれている。
キッチンで倒れたままでは邪魔だっただけかもしれないがそれならリビングに転がしておけばよかったはずなのだ。
藍里の事を嫌っているはずの智大の垣間見える優しさに戸惑うが、まずするべきことがある事を思い出し、藍里は徐に起き上がり寝室を後にした。
すでに遅い時間で智大が何かしている気配もないので、藍里は最近智大が寝ているリビングのソファに向かった。
案の定ソファからは長い足が出ていて、智大がそこにいることを主張している。
正面に回って少し離れた絨毯の上に座り、藍里はどうしようかと暫し智大を見つめて思案した。
ここに来たのは謝ろうと思ったから。
けれど、こんな夜中に起こしてまで言うことだろうかとも思ってしまう。
またあの剣幕で怒られるのも怖いし……。と少しずつ俯きがちになっていると、智大が動いた気配がした。