すれ違いお見合い結婚~相手は私を嫌ってるはずの幼馴染みでした~
「……あいちゃん、結婚生活……上手くいってないよね?あれから何があった?」

「……」

真剣な表情で見つめてくる圭介に藍里はそっと目を伏せる。
その反応で何かあったことを察した圭介は困ったように眉を下げて苦笑した。

「あの時は少しは関係修復してきてるのかなって安心してたんだけど……絶対智大が原因だよね?
……ごめんね、あいつが誤解されるようなことばかりするから……」

「誤解……」

「うん。前にも言った通り不器用で、誤解されやすいんだ」

「……なに、が……」

「あいちゃん?」

何が誤解で、どこが不器用なのかと、そう言いそうになった言葉をぐっと飲み込んだ。

聞いたところで折れた心は簡単に戻ってはくれないだろう。
散々勇気を出そうとしてはへし折られ、優しさを見せられて嫌われてないのではと自惚れての繰り返しで、藍里の心は誰の目に見えなくても疲れきっていた。

「あいちゃん、どうしたの?前と様子が違う」

「どうもしてなんて……」

「何かあったんでしょ?言ってごらん?僕が力になるから……」

「っ……嫌っ!!」

藍里の様子がおかしいことに気付いた圭介が手を伸ばそうとするが、藍里は咄嗟にその手を振り払った。
それは今までにない藍里の行動で、振り払われた手をそのままに、圭介は唖然としていた。
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