羊な彼にご用心~イケメン四天王+ワン~【番外編完】
私たちは、初めて二人で旅行した、初めて体を重ねた旅館に泊まった。

「懐かしいだろ?」

私に行き先を告げずに宿に予約をいれた虎太朗が、少しはにかみ照れくさそうに笑う。

「学生じゃないし、今は十分収入あるから思い出の場所だけど部屋は奮発したぞ。

……露天風呂つきだからあとでゆっくり一緒に入ろうな」

熱っぽい目で見つめられ色気を含ませた虎太朗の声にドキリとする。

こんな甘い彼は久しぶりだ。

ううん…違う…。

きっと私が気づけなかったのかもしれない。

子供に執着しすぎて、彼を真っ直ぐに見ることができていなかったんだろう。

私は久しぶりに彼の愛に溺れた。

優しくて激しくて…ずっと変わらずに私を愛し続けてくれている虎太朗に、私は同じくらいの想いをぶつけた。
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