羊な彼にご用心~イケメン四天王+ワン~【番外編完】
11時半、梅雨もあけた東京の空は真っ青で、日射しも強く暑かった。

黒色の愛車ミニクーパーで現れた俺を軽く睨み

「健全なデートでお願いします」
と助手席に乗り込んだ。

「暑いから愛車で来たんだけどなぁ。よく冷えて快適だろ?

ホテルでランチして、腹ごなしにベッドで一汗かいてシャワーを浴びる…俺的には健全なデートプランだけど?」
くつくつ笑うと
 
「坂口先生!」
彼女がムッとして俺を呼ぶ。

「病院じゃない、先生はやめてくれ。渉だ。
モモ、本名は?」

「モモ。
ねぇ、今のデートプランのどこが健全なわけ?」

「健全だよ。
朝を一緒に迎えないんだから。
酒もはいらないし、いたって健全。酔った勢いでの過ちじゃない」

「…昼間とは印象が違うのね。

別人…。これが本当の渉?」


「…昼間の俺を知ってるんだ。
別人でがっかりした?」

「ううん、違うの。
…あなたは私の知り合いによく似てるの。昼間のあなたが。」

そこで言葉を切って寂しそうに笑った。




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