羊な彼にご用心~イケメン四天王+ワン~【番外編完】
退院してから歩は時々泊まりにきて、ご飯を作ってくれて一緒に夜を過ごす。

服部先生に相談したように、俺たちはキス以上先には進んでいない。

それでも、彼女に言わせれば、抱き締められてキスまでできた男は、俺がはじめてらしい。

みんなそれ以前に触れられただけで気分が悪くなる。

まるで彼女の失った恋人が、自分が認めた相手以外にはふれさせないでいるかのようだと。

「敏生が選んだのが渉だと思うんだよ?
…彼の最後の独占欲なのかなぁ。

渉が数えきれないほど経験してるから、試練を与えられてるんじゃない?」

とクスクス笑う。

「渉のことだから言い寄られたらどうせ、片っ端から手をだしてだんでしょ?」

軽く睨み頬を膨らませている彼女の言葉の返事につまる。

「先に風呂入ってくる!」

逃げるように脱衣室に向かう。

「 なぁ、敏生さん…俺のこと認めてくれよ…。
はっきり言って一緒にベッドで何もしないで寝るの、結構しんどいんだけど、、、、。

あいつ、魅力的すぎ、、、」

ため息混じりに見えない相手に思わず愚痴りながら、シャワーの蛇口をひねり、熱い湯が身体に勢いよく降りかかる。
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