でたらめな愛のうた







そんな私の顔を見て先ほどから私を嘲笑っているカップルの中の一組(仮にカップルaとでもしておこう)がこちらを見ながらクスクスと笑い合っていた。
よくよく耳を傾けてみるとなんとまぁ失礼な言葉を吐いていたわけで。

真似してみたらこんな感じだ。

a美「ねぇねぇa男ー」
a男「なんだいa美」
a美「あの人の顔こわぁい」
a男「あははは本当だ!だから捨てられるんだよ」
a美「あーそんなこと言ったら可哀想!」
a男「いいんだよ俺にはa美がいれば」
a美「もーうふふふ」


ああ、気持ち悪い。自分でやってて吐き気がするような会話をよくもあんなシラフで言えたもんだすげぇすげぇ尊敬するよ!

と思いながらきつい睨みをかます私はなかなか肝が据わってると自分で思った。

もちろんカップルaはそんな私を見た瞬間顔を青白くさせつつ慌てて帰ったわけだけど。
でもそんな行動は結果自分をなぜか惨めにするだけで。
といっても惨めになる理由も私にはないんだが。


「はぁ………」


空に向かってため息をつく。コツンと壁に寄りかかりながらじっと上を見つめた。
周りの電飾はある意味輝いているが、そのせいで自然と輝くべきである星は一切見えず、漆黒の闇ばかりが広がっていた。



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