でたらめな愛のうた
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そんな風に空を見つめ、イチャイチャとするカップルに数え切れないほどの罵詈雑言を吐かれ、気持ち悪いほどしつこいナンパ男の三人目に、これまた綺麗に足技を三回決めた時、ようやく私の目的である"やつ"がやってきた。
「蓮ー……。なんでさっき私と会うの最後とか言うの?ねぇ……やだよぉ。」
女の猫なで声がする。その言葉の中に"蓮"という単語が聞こえた。
おっせーよ、ボケ。
心の中でこっそり、顔はにっこり。
まさに作り笑いですとでも書かれているような笑顔でそちらに振り向くと、ちょうどその女相手と目が合った。
すると"やつ"は慣れたような調子でにっこりと微笑みながら彼女の腕を払い、こちらに近寄ってくると、私の腕を掴んで女の所に戻る。
そして
「なんでって……この子と付き合ってんだよね、俺。本気なのはこいつだけで後は全部遊びだからさぁ」
と、どこぞのドラマのチョイ役尻軽男のセリフかと思うような言葉を口にしながら私の肩に手を回した。
本来ならばこの手を思いっきり振り払って殴り倒したい怒りを感じているが、そこはなんとか無理矢理な演技で笑ってみせた。
あぁ、頬が引きつっているのがわかる…。
我慢、我慢よ私。