生簀の恋は青い空を知っているか。

正直、わたしの知ってる人でパーティーを楽しく開く人は居ない。

「今日は夜勤ないのよね?」
「もちろん」

きーくんのその言葉に、鼎が嬉しそうに笑った。

「乙女だねえ」
「ね、かわいい」

わたしと理美でこそこそ話す。じろりと鼎に睨まれるけれど、全然怖くない。

「鼎さん、お久しぶりです」

すっとスマートに入ってきたのは、どこかで見た顔。

「遅れてすみません」
「物部さん、お久しぶりです。大丈夫、姉がばっちり場を繋いでるので」

手の先で星奈さんのいる方を示す。確かに人だかりが出来ていた。

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