生簀の恋は青い空を知っているか。

そこで理美のビールが届いた。

「どうだったの100回目のお見合いは?」
「100回もしてないんですけど……」
「三回を超えたら100回も同じだと思うけど」

おおざっぱな計算にわたしでさえ呆れてしまう。
鼎が脚を組み替えて可愛く頬杖をついた。

「……結婚するらしいよ」

きょとん。と、鼎と理美の目が言っていた。

「え! まじで!」
「あははは!」

お嬢様はどこへやら。二人は机をばんばん叩きながら笑ったり前のめりになったり。

本来の二人はこれである。

うちは成金だけれど、生粋のお嬢様である二人。ホテル経営社長の娘、鼎とIT会社取締役の娘、理美。

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