生簀の恋は青い空を知っているか。

でもそれは、浅黄さんも一緒じゃなかったのか。

手の力が緩んだと思えば、浅黄さんは眠りについていた。その寝顔を見ながら、どっちが表でも裏でも良いから笑った顔が見てみたいなと思った。

擽れば笑うだろうか、と一瞬考えたけれどやめておく。息の根を止められかねない。

普通に星奈さんたちと話してるときは営業スマイルじゃない笑顔だった。何より、浅黄さんはどうしたら笑うのだろう。

考えながら眠った。起きたら、昼を過ぎていて、浅黄さんは隣に居なかった。


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