生簀の恋は青い空を知っているか。
揺れる電車に。


「これ、言ったのと違うものなんだけど」

ポーン、と遠くでエレベーターが止まった音がした。五色くんが遠くからこちらを窺っているのが分かる。

「朝倉さん、これはきちんと前回変更した分です」
「先週も変更を入れたでしょう?」
「そこで前のものに戻すと? 聞いた覚えもないですし、その勘違いが怖いので最終的な変更はPCメールに送ってくださいと言いました」

そして、メールにはその記載はなかった。

これは完全なる言いがかりだ。四年目になる社会人を舐めないでもらいたい。

結婚をしてるしてないでいびられるほど、こちらも暇ではないのだ。

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