生簀の恋は青い空を知っているか。

友人に言われるのはともかく、後輩にまで心配されるってどういうことだ。先輩の威厳とは。

「五色くんと一緒にいるとき、そんなに飲んだことあったっけ?」
「一回、先輩の友達の御堂さんと西仲島さんと飲んだじゃないですか。あの時にそれを知りました」

五色くんが苦笑している。もうどうやっても取り繕えないところまできてしまっているらしい。

「良いと思いますよ、先輩そこを除けば完璧なんですし」
「わたしに対する評価がおかしすぎる」
「完璧です。こうやって、話題変えてくれました」

断言された。わたしは何も言い返せなくて、それを甘受することとなる。

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