生簀の恋は青い空を知っているか。
お金持ちにわたしのカードを乱用されたら、すぐに使用停止されてしまうだろう。浅黄さんが何に乱用するのか想像もつかないけれど。
「じゃあ持っておけ」
「……なくしても怒りませんか?」
「それはぶちぎれる」
「お客様、お届け日のことなのですが……」
店員さんが申し訳なさそうに話しかける。二人して我に返ってそちらを向いた。
浅黄さんが住所を書いてくれて、お届け日を決めた。
全てを終えて店を出ると、お昼を過ぎる頃だった。お腹が空いていたので通りがかったカフェのランチの良い匂いに誘われる。
「腹減った」という浅黄さんの一言に、ランチが決定した。