生簀の恋は青い空を知っているか。
人気ドレスを微妙と簡単に評価された。それはドレスが微妙なのではなく、着ているわたしが微妙なのでは。
「明るい色の方が良い。あとハイネック」
「かしこまりました」
店員さんは慌てもせずにさっと立ち去る。わたしはそれを見ることしか出来なかった。
「……お仕事は?」
「終わらせてきた。ぼんやりしてねえ?」
「行くのが嫌で」
「はっきりと言い始めたな」
呆れた顔をして浅黄さんが苦笑する。今日はきちんとスーツにネクタイをしている。
最近クールビズだからか、ネクタイをしている姿を見ていなかった。