生簀の恋は青い空を知っているか。
その返事に安堵した様子を見せて、それからこちらへ視線を向けた。
「失礼しました。初めまして、お世話になっております、木暮と申します」
「こちらこそ。柴……最中松葉と言います」
「可愛い奥様ですね」
「君は親父か」
呆れた顔で木暮さんを見る。
「同期の木暮。下手に出て使えるものなら何でも使う男」
「おいおいその紹介の仕方はないだろ」
「何か間違ってるところがあるなら添削してみろ」
「松葉さん大丈夫? モラハラとか受けてない?」
急にこっちに話題が振られる。わたしは頷くだけ頷いた。