生簀の恋は青い空を知っているか。



この前まで夏だったのに、すっかり冬だ。
年末に向けて繁忙期、年明けも繁忙期。

いつもの通り浅黄さんも忙しいらしく、最近わたしが起きてる時間に帰ってこない。

目が覚めるといつの間にか浅黄さんの部屋に運ばれていて、当人はもう居ない。

常務があんなに働いていて、大丈夫なのかな。ふとそんな心配をしてしまった。

そんな感じで起きている間に浅黄さんに会えない日が続いた。ふと思い出したように、仕事帰りにジュエリーショップに寄った。

老舗デパートに入っているそこなら間違いはないだろうと飛び込んだ。

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