生簀の恋は青い空を知っているか。
全てを話したい気もするけれど、そこまで甘えられる立場でもない。
ミスを補って貰っているのだから尚更、だ。
「何もないよ。ちょっとぼーっとしてた、ごめん」
それ以上に何も言えなくて、きっと五色くんも同じ気持ちだったと思う。
何も聞いてくることは無かった。
世の中がクリスマスモードになっていることに、スーパーのチキンを見て気づいた。
確かに、うちの会社のエントランスにもツリーが飾られていたっけ。
何か作った方が良いのか、と考えて打ち消した。
クリスマスは浅黄さんも忙しい。大きなイベントであるほど、多忙になる職だ。