生簀の恋は青い空を知っているか。

「鼎たちとはいつからの仲なんだ」
「中学からです」
「じゃあ出会うまでより、出会ってからの方が長くなるんだな」

そう言われて、カレンダーに目をやる。今年で皆26になった。確かに、そうだ。
わたしたちは何かと一緒に集まっては話して、成人してからは飲むようになった。

凹んでいたら笑ってくれて、落ち込んでいたら煽っていく。
わたしの親友たちはそういう習性だ。

そして傷つけられたら、自分のことのように怒ってくれた。

「まあ最悪絶交になっても、俺がいるから良いだろ」

浅黄さんの方を見る。数秒目が合って、慰めてくれたのだろうか、と思いつく。

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