生簀の恋は青い空を知っているか。
小さい石が三つ散りばめられた指輪だった。百人が百人、千人が千人見ても、美しいと思うだろう。わたしも例外じゃなかった。
浅黄さんは何も言わずに指輪を摘んで、わたしの指に嵌めた。驚いたのは、指にぴったり嵌ったから。
「気に入ったか?」
いるいらないって、気に入るか気に入らないかってことだったらしい。
ここまでしてもらって首を振るなんて出来ず、頷く。浅黄さんはちょっと得意げに笑って、指輪の入っていた箱をわたしのバッグに収めた。
「ありがとう、ございます」
結局、受け取ることになってしまった。