生簀の恋は青い空を知っているか。

『今度そのパーティーもやるって』
「わたしは呼ばれないと思うけど」
『いやー、鼎が呼ぶでしょ』

理美の言葉に口を噤む。鼎に呼ばれたら、それは断るのは難しい。
様々な言い訳をしても、様々な理由をつけて呼ばれる。

「その時は諦める……」
『それが一番だね』
「ん。また連絡する」

わたしは電話を切って、自分の家に帰る。

話の流れに、緊張した。
寝室に入ってベッドに寝転ぶ。

携帯を見ながらそれを考えていつの間にか眠っていた。



はっと目が覚めた。顔が濡れていて、無意識にそれを拭う。眠りながら泣いていた。

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