生簀の恋は青い空を知っているか。
ナイトフォール。
チャイムが聞こえた。休日の早朝。
宅配便かな、と予想しながらインターホンをつける。
画面に映ったひとに暫し固まる。
「……おい」
「お、おはようございます……」
それ以上何も言えず、鍵を開けた。
玄関の外で待っていると、エレベーターから浅黄さんが現れた。
玄関を開けると、自分の家みたいに入っていく。どうしてうちの住所を知ってたのか、なんて疑問はもう浮かばない。
「なにか飲みま……」
リビングのソファーに座った姿に一応の礼儀として尋ねようとしたけれど、無駄だった。
……寝ている。