生簀の恋は青い空を知っているか。
よく分からない人だ。
そもそも休日の早朝に何しにきたの?
寝るなら自分の家に帰れば良いのに、わざわざ他人のソファーで眠る理由は一体。
座って眠るから、ずるずると肘掛けの方へ沈んでいっている。
ああ、背中痛くなっちゃいそうな姿勢だ。そうは思いながらも、どうすることもできなくて、とりあえず寝室から薄い毛布を持ってきてかける。
理由も謎のまま、浅黄さんは昼過ぎまでその格好で寝続けた。
「やべ、寝すぎた」
起き上がった浅黄さんが立ち上がった。わたしはブラウスにアイロンをかけていて、その姿を見上げる形になる。