生簀の恋は青い空を知っているか。

友人二人はこの状況を楽しんでいるし。

「五色くん、彼女いないの?」
「いないです。好きな人いるんで」
「良いねえ……どんな人?」
「仕事ができて、後輩思いで、ちょっとだけ人生諦めてる人です」

想像してみた。全然分からない。

「なんかのキャラクターとかじゃないよね……?」
「バカにしてるんですか? バカなんですか?」
「え、苦言? それとも暴言?」
「先輩って鈍いの?」

そんな鈍い先輩のわたしでも、それは悪口だと気付いたわけで。

「先輩をもっと労ってください……」
「十分優しくしてますけどね」

もしや、わたしは本当に鈍いのか……?


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