Wunder〜巡り会えた友〜
「……リーゼ?」

無表情なままのリーゼロッテの肩に、凛はそっと触れる。その体はとても温かい。

「……どうしてわかったの?」

リーゼロッテは震える声で言った。

「えっ?どういうこと?」

凛の目をリーゼロッテは見上げる。その目には、憂いや期待など様々な感情が入り混じっていることに凛は気づく。

「……私は、プロイセンの時代から生き続けてる。歳をとらないのよ」

リーゼロッテは、ゆっくりと重い口を開く。そして、全てを話してくれた。

「私がどうして歳をとらないのかはわからない。でも、十九歳のこの姿のままなの。歳をとらない私を、人々は魔女と呼んで私を拷問したりした。……でも、どれだけ苦痛を感じても死ぬことはできなかった」

リーゼロッテはぎゅっと強く自分の腕を掴む。凛はその苦しげな姿に、胸が痛くなった。

リーゼロッテの言葉を、凛は嘘だとは思っていない。むしろ納得していた。だからあんな表情ができるのだと思っている。
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