Wunder〜巡り会えた友〜
彼女の名前は、リーゼロッテ・エーデルシュタイン。凛が留学した時に、なんと偶然にも近所に住んでいた。凛がドイツに住むことになってからは一緒に暮らしている。

凛とリーゼロッテは、出会ってからとても仲良しだ。



そして、物語は最初に戻る。リーゼロッテから掃除を頼まれた凛は、自分の部屋で掃除をサボって歴史の本を読んでいたため、リーゼロッテのお仕置きをくらって今に至る。

リーゼロッテと凛は、一緒におやつを作っているところだった。シュネーバルというローテンブルクの郷土菓子だ。

三百年前からフランケンのお菓子として作られ始め、結婚式の席などで出された縁起物だ。小麦粉にサワークリームや卵を混ぜ込んだ生地を、二センチ幅ほどに細長く切り、それをボール状に丸めて揚げたお菓子。凛は、シュネーバルがドイツのお菓子の中で一番好きだ。

「シュネーバルってとてもおいしいよね!」

生地を作りながら凛が言うと、「そうね」とリーゼロッテも微笑む。

「でも、私はシュヴァルツヴェルダー・キルシュトルテも大好きよ」

リーゼロッテはそう言った。
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