Hate or Love?愛と嘘とにまみれた世界の片隅で
「…うん」 


たぶん年は23くらいだろう。


黒に近い茶髪のオールバックで、パッと見ヤクザには見えない。


この世界の人間じゃなければ相当モテるだろうなっていう外見。


「玲香ちゃん、龍美さんにあんな感じで責められて疲れたっしょ」


「…まぁ」


人生が終わることを覚悟してたくらいだから、疲れたなんて言葉で片づけられないほどだけど。


本当に心臓を鷲掴みにされたような緊張だった。


あんなに緊張したのは初めてだ。


嘘も上手くつけなかったし。


龍美さんだけは絶対に敵に回したくないな…。


色仕掛けが通用する相手じゃないし、容赦なく殺ってくるだろうし。


「翔!来てるんなら言ってよ」
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